2002,4/7から4/30までのTOP。注意書きをつけてやっとフルサイズで公開です(笑) ちょいと状況説明をつけました。クサい文章に耐えられる方だけお読み下さい(^-^; →クサくても平気 |
小鳥 テスタメントは聞き慣れない小鳥の声で目を覚ました。 がっちりと太い腕の囲いからそっと抜け出して身を起こす。服はどこに脱ぎ捨てたのだったか? 重たい飾りベルト付きのプルオーバーが落ちていたのをひろいあげて、とりあえず頭からかぶり、静かに寝室を抜け出した。 隣の部屋は水屋に竃、食卓等があり、生活感のあるスペースになっている。毎朝の習慣で、スクイーザーで手際よくジュースを絞っていると、枠だけの窓をくぐり抜け黄色い小鳥が部屋の中まで入ってきた。テスタメントがつと指を差し出すと、素直にそこにとまった。 やっぱり人に飼われていた鳥なのだな。自由な森より人間が恋しいか? テスタメントは心に呟いたが、それは自分の感傷だともわかっていた。小鳥は単に果物の香に惹かれてよってきただけかもしれない。 それでもいい、と思った。綺麗な小さい生き物が自分を恐れずに近寄ってくることだけでも嬉しかった。 ・・・・・・ |